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極北の光5  北海に浮かぶ人類の理想の大地  アイスランド

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あら海や 佐渡に横たふ 天の川
                                  芭蕉


人はなぜ海を越えたか。
逆巻く海は北海の荒海であり、瞬時も凪の姿を見せることはない。
それは、最も勇敢な北欧の戦士をも怖じ気させずにはおかない、怒りの奔流である。

かつて北方の人々を導いたのは、神秘の極光であったのであろうか。
あるいは永劫の天の川の輝きであったのであろうか。

いずれにしても、恐れを知らぬ勇猛の人々の胸深くには、永遠の何ものかへの憧憬が、強く強く鼓動していたに違いない。
それなくしては、人間の行動の何物をも説明できないからである。

今同じ憧憬が、人類の目指すべき理想の社会の建設を促すべく鼓動している。
かつて世界で最も勇敢で、しかし同時にもっとも深い暴力と破壊の闇に沈んだ社会において、奇跡と思われた絶対平和の社会が実現されようとしている。
その鼓動は、全欧州へと波及し、やがて全世界の潮流となってゆくだろう。

「絶対平和」, このエマニュエル•カントの理想から二百有余年。
今、人類は、この北方の勇猛の民を模範として、新たな歴史の一歩を築かんと苦悶している。

平和とは、勇気の異名である。
福祉とは、愛する者のために抜く剣の異名である。


schale


18世紀の偉大な詩人である芭蕉の詠んだ有名な詩句を耳にすると、宇宙の底流に流れる永遠の何ものかへの憧憬とともに、不可能に挑む人間の勇気ある決意の鼓動を耳にすることができます。
それは、生の高みに立つが故に、避けることのできない、恐るべき孤独に生きる詩聖の境地であるとともに、全ての人間に共通する不変の力の源泉を指し示しているのです。
もしハイデッガーが芭蕉を知悉し得たなら、ヘルダーリン、リルケと並ぶ、近代最高の詩人、詩人の中の詩人として賞賛していたに違いないでしょう。

かつて、アイスランドから、グリーンランド、そしてついには北米大陸まで航海を続けたバイキング達の胸には、どのような夢、希望が鼓動していたことでしょうか。
彼らを駆り立てたのは、 芭蕉を孤独な闘いへと導いたと同じ、永遠性への憧憬であったに違いありません。

今、あの恐るべき北海の荒海を越えた勇気と挑戦の炎は、絶対平和という、人類に残された最後の挑戦と開拓に向かって燃え続けています。
世界でもっとも勇敢な人々が、平和社会の実現という、もっとも勇気を必要とする挑戦に向かうのは、歴史の必然であったのかもしれません。



写真、文 シャーレ

Camera 1Ds, EF17-40F4, EF70-200F2.8IS

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by schale21 | 2013-01-09 02:40 | Comments(2)
Commented by gaius-hide at 2013-01-27 22:48 x
schaleさんはじめまして。
EOS Digital画像掲示板ではかなり以前から写真を拝見していましたが、こちらのblogははじめてです。
素晴らしい写真と文章の数々、ゆっくり拝見させていただきます(^_^)。
Commented by schale21 at 2013-02-01 08:32
gaius-hideさん、ご訪問ありがとうございます。
更新がままならず、超のんびりですが、よろしくお願いいたします。


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