レッチェン峠2

現在は各州の連邦制をひくスイス。
ドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏、さらに古代ラテン語であるロマンス語圏の4つの母国語を持つが, 全ての言語の習得は難しい現実から、学校で教える第二母国語を、国際語である英語にして簡略化しようと言う提案が出ているほどである。(現在はフランス語圏であればドイツ語を、ドイツ語圏であればフランス語を特別に習う)
つまり文化的な排他性が極めて少ない。よく言われるスイスの閉鎖性とは全く逆の現実である。

だが、山岳民族らしい独立心の旺盛さも際立っている。
このレエッチェン峠はバリス州とベルン州の境にもあたるが、中世まではしばしば両州の間で紛争があった。
各州間の軋轢を克服して現在のスイスの繁栄があるわけだが、人類の現代の段階は、民族国家という近代における人工的な産物の間における軋轢と、神的ともいえる不可解な絶対性、不可侵性を克服すべき段階にあると言えるだろう。


峠の山小屋で迎えた朝は期待通りの快晴であった。
峠の十字架はどんな歴史を眺めてきたのだろうか。

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雪上を行く登山者。
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氷河の融水があちこちに湿原を作っている。標高が高いため、植物はほとんど見られない。
彼方にバリスの高峰が美しい。
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雪線を降りて標高が下がると、森林限界までの間に美しい高山植物が咲き乱れる。
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彼方にラング氷河が見え始める。この谷がレッチェン谷。近代まで、人の入らない秘境の一つだった。
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こういう場所での一杯は堪えられない。
地元のビールにバリスの特産、ラクレット。要するにチーズを溶かしたもの。
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レッチェン谷は道路が出来るまでは不便極まりないところで、今でも古い独特の習慣が残っている。
なまはげに似たマスクは魔除けのもの。マスクをかぶって厳冬の中練り歩く祭りは世界的に有名。
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by schale21 | 2007-08-07 10:55 | 詩と文学 | Comments(4)
Commented by ありゃいん at 2007-08-10 21:28 x
スイスの風景、いつ見ても素晴らしいですね。
過去のいろいろは想像できない完成された国だと、私の目には映りました。
次回のスイス行きまでの間、こちらでしっかりと堪能させていただきます^^
Commented by schale21 at 2007-08-15 07:55
完成された国、それは確かにその通りだと思います。
多くの面では日本はこれからも追いつけないでしょう。
考えてみれば、成功のもとは大抵、過去の反省にもとずくものですね。
なかなかアップできませんが、よろしくお願いします。
Commented by demian at 2007-10-14 14:37 x
はじめまして。芳賀檀のことを検索しているうちにたどり着きました。芳賀檀の作品をよく引用されていますが、これはどの本に載っているのでしょうか? ぜひ読んでみたいと思っています。
Commented by schale21 at 2007-10-22 09:53
ご訪問ありがとうございます。
また先生に関心をお寄せくださり嬉しく思います。
芳賀先生のことは、このプログの最初の雲の項目の中のコメント欄で、stfさんと少し話させていただいています。

引用の多くは、先生の晩年の詩集”アテネの悲歌”からのものです。
ご存知のように先生の著作は翻訳以外手に入れるのが難しくなっていますが、自分はかつて戦前のものも含め、古本屋をまめにあたったり、大都市の図書館などで閲覧していました。
現在は長くヨーロッパに住んでいますが、手に入れたものの多くは日本の自宅にあります。
”アテネの悲歌”は、”背徳者の花束”とともに500部限定の出版で、実質直接知る人に渡って終わりだったと思います。私は先生の晩年に個人的に師事しました。

著作のことなどお気軽にメールでお尋ねください。

schalephoto@yahoo.co.jp


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