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奇跡の年


”世界を変える偉大な思想は鳩の足音の静けさで歩んでくる” 
ニーチェ

1905年、無名の若き天才、ベルン特許局の小役人であったアインシュタインは、彼の少年時代からの思考に一つの結論を与えることに成功した。
いわいる特殊相対性理論の完成である。
これによって不変の空間と時間の中に生きる、ニュートン以来の古典的な世界観は激変することとなった。

万物が相対的であると言う考えは、一神教的な絶対神の支配する精神世界ではまさに画期的であった。

しかし、時間や空間が相対的であるという概念は、古代インドの哲人や、仏教徒にとってはなんら異質なものではない。

西欧にいても、偉大な哲学者であるアウグスティヌス、イタリアルネッサンスの天才、迫害と殉教の生涯をおくった、ジョルダノ ブルーノなどにとっては宇宙も時間も相対的なものにすぎなかった。

晩年には、物理学者になった事自体を恥じて、政治的問題への責任と関心を募らせる。また、人間自身の解明と進歩なくして、人類に未来がないことにも警鐘を鳴らし続けた。

真理の解明ではなく、人間の幸福の追求こそがより重要であるとの思いは、晩年のトルストイも同じであったのかもしれない。

絶対的なものへの憧憬は、人間の自然な心理であるのかもしれない。
しかし、私たち自身に価値を置くという規準以外に、いかなる外の規準も相対的であることを免れない。
それは、人生が不安への入り口ではなく、波瀾万丈のドラマの幕開けであることを告げているかのようである。
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by schale21 | 2006-05-18 20:12 | 詩と文学 | Comments(9)