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何処へ

危機の中に 救済の勇者また 成育す
Wo es Gefähr gibt, wächst der Retter auch.
ヘルダーリン


何処へ

あなたがその生涯の始めに
出会った月は 淡い薄明の中に輝いていた
光は太陽のようにあたたかく そしてまた 幻のように暗かった

存在の根底に降り立つ時 いい知れぬ孤独と戦慄が襲う
それは同時に 精神の貴族の避けられぬ運命

そのためらいは 貴方自身に出会うことへのためらい 逡巡
未知への旅立ちへの 不安

しかし 砂漠の向こうにも太陽は昇る 遥かな大洋の彼方にも 
最も深い孤独に沈む少女にも 死を賭けた旅立ちへの喜びと 戦慄におののく青年の前にも ひとしく太陽は昇る

それは 最も奥深い はるかに下界を見下ろす山の彼方に 咲く花に似て 
その極限の美しさも 全力を賭けた生の輝きも 
決して 誰にも見られることがないのを  知っているのに

そうだ それは彼自身が 彼女自信が太陽であることの証左なのだ あなた自信が太陽であれば もう暗闇もなく 孤独もない

僕が 僕自身が太陽であろうと誓った時
貴方が 貴方のその未聞の輝きで 周囲を照らそうと誓う時
あの漆黒の暗闇も 四方を囲む戦慄の孤独も 輝きの一瞬に変わるのだ

そのとき貴方は 不正と残酷の世界を変える 真正の勇者となるだろう
あの奇跡を体現した 一輪の花にもまして 
美と 安らぎと 天使の包容の暖かさを 世界に贈るだろう

冬を越えて咲く花に似て 悲しみの彼方に 希望の鐘音を聞く
貴方の勝利がまた 私達の勝利であることを信じて

schale



私たちは毎日、世界中の多くのニュースを目にし、耳にします。
その中で、耳を疑うような残酷な犯罪や、胸を痛める悲しい事故の悲報に触れ、たとえ一瞬でも自分に出来る事はないかと問う事があります。
そして、”悲しみの共有”を通して、世界が一体であること、地球がもやは大きな一つの村にすぎない事を実感しています。

しかし人類の最も大きな犯罪、もっとも大きな悲劇である戦争は、今日も尚、続いています。
それは正当化され、理由づけられ、避けがたい必然として受け入れられ続けています。
なんという矛盾、なんという無神経な感性の枯渇。
しかし、この矛盾の中にこそ大きな秘密が隠されている気がしてなりません。

人類の運命を変えるのは、一人の英雄でもなく、想像を絶する天才の力でもなく、平凡な人間、ただあたりまえのことをあたりまえと感ずる、健康な精神の持ち主であることでしょう。
だまされ、踏みにじられることを潔しとしない潔癖な精神、奴隷にも独裁者にもならない独立の精神、いかなる権力の魅惑にも惑わされない決定的な免疫の持ち主。

人間の歴史の不正は、平凡な人間が、卑小な存在であるという大きな嘘、プロパガンダの上に成り立っていました。
それは長い間、人類の最も大きな”秘密”だったのです。
世界を変えるのはあなた自身であること、その人の心に宿る無限の可能性を信じる事、それこそが世界を変え得る唯一の力なのです。

あの絢爛なイタリアルネッサンスは、ローマの不正と、漆黒の闇のような精神の牢獄からの開放でありました。それは人間自身にこそ価値があるという、古代の知恵への回帰でもありました。
また、もっとも深い堕落の時代に咲いた一輪の花でした。

500年後の今日もまた、袋小路の最後の終着点で、”全ヨーロッパで、100人の天才が立ち上がったルネッサンス”(ヤーコブ ブルクハルト)にかわって、万人の”平凡な英雄”が立ち上がるときが来たのかもしれません。

あなたが、あなた自身の可能性に目覚めるとき、人間の新たな歴史が始まることでしょう。




   

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by schale21 | 2006-08-07 06:13 | 詩と文学 | Comments(18)