快晴の山は確かに美しい。しかしどこか味気ない。突然の天候の激変は山にいく人にとっては、ときに命にかかわる重要なことがらである。
それゆえ登山家は、農耕に携わる者のように空と雲を眺める。


世界でもっとも愛され、多くの人に読まれている作家はヘルマン ヘッセである。
ドイツの黒い森にある、小さな美しい村、カルプに生まれ、のちに作家として成功してからは、その生涯の大半をスイスで過ごした。後にはスイス国籍も取得している。

二度の大戦に反対し、ナチスとも対峙した勇気の人である。スイス国籍取得にこだわったのは、そんないきさつも関係していたのかもしれない。

彼の少年時代、日がな一日、小川のせせらぎを聞きながら草原に横たわり、雲を眺め、その流れに見とれ、憧れていたそうである。その自由さ、形にとらわれない魔法のような、その形姿。
雲に旅立ちと郷愁、自由を感じた、幼い彼の感受性はそのまま、世界的作家となってからも作品として昇華された。

優れた水彩画家としても知られるヘッセ。彼が描いた光景は、やはり流れゆく雲の姿であった。
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by schale21 | 2006-03-08 08:54 | 詩と文学


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