異邦の旅人

旅人
”アレキサンダーですらインダス川で敗退せねばならなかった。
彼を敗退せしめたのは、権力や武力ではなく、ただ一人の、全く権力も武力も持たない一介の赤裸の乞食、しかし勇気のある一人の賢者の言葉でした。
私はいかなる権力も武力も、一つの勇気、一つの知恵には対抗しえないことを信じています。”
                                                                   芳賀檀 ” 友情の書”より


遥かに故郷を離れ 汝の中に故郷を探す旅人よ
永遠の別離に 出会の奇跡を知る旅人よ

喪失こそ 豊穣の証であることを知る旅人よ
漂白の中に踏みしめる大地こそ 故郷であることを知悉している その知性
何物をも欲さぬことをこそ欲する その自由 奔放 磊落

関節を踏み外した世界の中に たった一人で彷徨う健常者は
まるで 天と大地を結ぶ 魔法の体現者

この精神の王者の前では いかなる地上の王も権勢も
平凡な善人にすぎないことを知る
生まれながらの平等という 古代からの聖者たちの真理を知悉する
彼こそ 世界の真の知識の所有者なのだ

シャーレ


偉大な人間の多くは、私たちの周りに知られる事もなく暮らしています。
ある人は豪邸を構える長者として。ある人は橋の下に暮らす人として。
ある人は誰でも知る有名な人として、ある人は忘れ去られた老人として。
しかし、偉大な人はいかなる境遇にあっても汝自身を知っている。
そして人間の境遇が、その纏う衣装にすぎないことを知っている。
今日は王を演じよう、今日は孤独な青年を演じようと、いずれにしても人生を楽しみきる事を知っているのです。
その自由な人は、いかなる権力を持ってしても財力を持ってして誘惑することは出来ない。
その人こそ、真の力の保持者なのです。なぜなら、彼こそ汝自身を制覇する人だからです。
いつの時代でも、そんな真の権力の保持者を、地上の権力者達がもっとも恐れ、排斥しようと試みたのは偶然ではありません。


Canon 1Ds EF35.F1.4L EF24-70F2.8L
f0081988_5544561.jpg
f0081988_5555632.jpg

[PR]
by schale21 | 2006-09-26 07:36 | 詩と文学 | Comments(6)
Commented by Capucci-mm at 2006-09-26 07:41
人生を楽しみきる事・・・凄くわかります。
人が忘れてしまってるものかも・・・・・・
今はせめて一瞬だけでも楽しめることが出来れば幸せかも?(^_-)
Commented by palms-7 at 2006-09-28 22:03
心の成熟、心の開放・・何者にも影響されない意志の強さと寛容さを合わせ持つ者になりたいものです。
自分には嘘もつけない反面、気持ちを誤魔化し納得した気になることも出来る。
簡単なようですが、真に強くないと「己を知る」ことはできないです。
心の強さ、大きさ、優しさ・・育んで生きたいです。
Commented by bono at 2006-09-30 01:23 x
こんばんは。ご無沙汰しちゃってます。
EOS板での動物撮影のスレ拝見しました。
私も冬場の動物撮影で、色々試行錯誤中でしたので大変参考になりました。
シャーレさんが狙った被写体を捉えた写真、楽しみです^^

‘自由な人’って素晴らしい響きですが、こうあるのは大変に感じます。
私なんて自分を御することも敵わず、理想と現実のギャップに溺れ気味ですから(笑
色々な束縛を嫌いながら束縛に安堵する自分を見るに付け、自由は遠いな~と感じます。
ですが、一読させていただいたあとに見た最後の写真。
なぜか日が昇るように感じました。(exifでは夕刻ですが…(^^ゞ)
このような針葉樹広がる景色は大好きです!
Commented by schale at 2006-10-01 04:00 x
capucciさん、お返事遅れました。ご無沙汰してます。そうですね、ますます暗い世の中になるようで、それだけに楽しく生きることはもやや芸術かもしれません。 笑

palmsさん、素晴らしいお言葉ですね。深い人格を感じるようです。意志の強さと他者への寛容、それさえあれば世の中は変わると思います。

bonoさん、ありがとうございます。北国の作品はとても刺激になります。上手く撮れるか自分もわかりませんが。

この場所も森林限界付近で、もう少しで森が切れるあたりです。
ぼくもこういう光景好きなんですよ。近々また行きますね。
Commented by stf_y at 2006-10-01 18:56
シャーレさんが人物を撮ると、また違った趣が出ますね。
いわゆるポートレートでもなく、またスナップでもない。
どこか、一幅の絵のような存在感が感じられて、
それが他の写真との違いを醸し出しているのかもしれません。

2枚目の写真はまた、ストイックな雰囲気がありますね。
やはり寒いところの風景ほど、
厳しい美しさが出てくるかのように感じます。
私はこういうの好きです。

自由・・・それは多くの人にとって重すぎるものでもありますよね。
私にとっても、真に自由であるということは難しいことです・・・。
Commented by schale21 at 2006-10-05 06:01
stfさん、遅くなりました。ありがとうございます。
僕の場合は何を撮っても、結局風景のようなというのはありますね。笑
自由といっても様々ですね。あっ、それはヘッセファンのさんstfさんであれば、誰よりご存知でしたね。
何がまともで、何がまともでないか、実に難しい問題と思います。


<< 永世武装中立 何処へ >>